韓国おもしろ旅8 | ~人とコトバ~

韓国おもしろ旅8

さて、帰りの列車の中。行楽帰りの人たちで混んでいた。

何とか席を見つけて座った。

1日歩き回ったので、クタクタだ。

上の子と私はすぐにウトウトし始めてしまった。

 

途中の駅から乗ってきた(またまた)若いカップルが、横の通路に立った。

巨大なスナックの袋を持って、お喋りしながらふたりで手を突っ込んでバリバリ食べ続ける。

羨ましそうにチラチラ見る下の子。

 

女の子の方が、「モゴッ、モゴッ」 と言って、こどもにお菓子を分けてくれる。

ふむふむ。 「食べる」 の原形は 「モクタ」。 「食べな」 は 「モゴッ」 になるのか…。

半分眠ったまま考える。

 

こどもは、えっ、どうしよう!という顔をしながらも、すぐに手を出す。

ちょっとためらいながら、覚えてきたアリガトウを言っている。

 

コマッスムニダ

 

これも、後から思えばもっとラフな表現 コマオヨ でよかったのかもしれない。

でも、覚えて使えれば上等だ。

 

食べ物は心をつなぐ。 カップルは、こどもにいろいろ話しかけてくる。

ことばがわからなくても交流はできる。

それをこどもに体験させたいと思い、こうして無計画な個人旅に連れてきたのだ。

チャンス到来!

 

私がいると、「ねえねえ、何て言ってるの」 と頼ってきて、自分で何とかしようとしなくなる。

(いや、それに何より、頼られても私だって全然わからないのだ。)

カップルだって、相手がこどもだから話したいのに違いない。

寝たふりを決め込み、様子を窺うことにした。

 

母親は役に立たないと観念し、自分で何とか話そうと努力し始める。

 

「え~っと… ねえねえ、日本人て何て言うんだっけ?」

私、ボソッと 「イルボンサラムかな?」

彼は何度か練習してから向こうを向き、勇気を出して言っている。

 

「お~、○△□○××○○」 ふたりが反応し、またお菓子をくれる。

わ、喋ったらお菓子がもらえた! 

口には出さなくても、こどもがそう感じていることが空気で伝わってくる。

( まるで餌付けみたい (^o^) )

オイシイは知っているので、それもしっかり使っている。

ふたりが喜んで、またお菓子をくれる。


続く