留学生と | ~人とコトバ~

留学生と

クラスの留学生たち

私は、ある日本語学校で留学生に日本語を教えている。

つい最近、半年のクラスが終わり、春休みに入った。
学生たちは4月から1年のクラスで勉強を続ける。

不法滞在などの問題で日本語学校が何かと目をつけられてしまうこともある
昨今だが、ちゃんとした学校の場合、留学生はとても真面目に一生懸命
日本語を勉強している!

教員も事務所スタッフも、とても熱意を持って留学生と関わっているのだ。

半年持っていたクラスの学生は、台湾7名、香港4名、あとは、韓国、タイ、マレーシア、中国、ペルーが1名ずつ。

「留学生」と一言でいっても、日本に来た目的や経緯はいろいろだ。

大学・大学院・専門学校に進学する人、日本語だけ勉強して帰国する人、
結婚して日本に住んでいる人、など。

今日は、最近あらためてびっくりしたことをひとつ。

クラスのお別れ会でゲームをやった。ゲーム係が用意してきた日本の曲を聴いてその曲名、歌手、テーマに使われたドラマやアニメの名前を当てる。

学生たちはほとんどが20歳前後で、我が子よりは上だが、自分よりはこどもの方が歳が近い。曲はどれもTVドラマで有名になったものばかりだが、私は「何となく聞いたことある…」のレベル。

それを学生たちは次々と嬉しそうに曲を当てるのだ。まるで今の「オバサマ」たちが冬ソナの曲を聴いたときのような表情。「きゃー」とか「わー」とかウットリしながら。

「先生、全然わからないんですね(^_^;)」と同じチームの学生からの冷たい視線…

何とよく知っていることよ。びっくり。
半年の授業の中ではわからなかった一面。

言われてはいるが、主にアジアの若者が日本の文化(といっても歌舞伎や茶道ではなく、アニメやポップス)に強烈な憧れを持って接していることを実感した。

どうして日本に来たの?--専門学校や大学に入りたい。そう答える彼女たち、もちろん目的だけど、奥底にあるのは日本の若者文化への憧れであり、その近くにいたい、という気持ちなのだ。

留学生を取り上げた最近の朝日新聞の特集にも書いてあったけれど、日本に対して漠然とした好意や憧れを持っている多くの外国人を日本は大切にしなければ、後年、手痛い仕打ちを受けるだろう。

ごく一部の犯罪が大きく取り上げられることで、外国人みんなを白い目で見ることがないように、メディアと私たちひとりひとりが気をつけないと。

ちょっと堅い終わり方になってしまった。