韓国おもしろ旅9
列車の中の続き…
そのうち、私は本当に眠り込んでしまい、気が付いたら終点間近だった。
ふたりは今止まった駅で降りてしまったようだ。
「ねえねえ、もらっちゃった。」
巨大な袋にはスナックが4分の1くらい残っている。
30分くらいはあっただろうか。
思いがけない国際交流体験に興奮冷めやらず、こどもが言う。
「 あ~あ。 もっとことばがわかったら何て言ってるかわかったのに~。
オイシイ とか アリガトウ だけじゃ話せないじゃん。
あーん、もっと言いたいこといっぱいあったのに! ねえ、また韓国来る? 」
息子よ、その通り! これを聞いて、今回の旅をした甲斐があったと私は大満足。
こういう体験は、貴重だ。 お金では買えない。
ことばがわからなくても、何となく心が通う。 その楽しみ。
でも、ことばがわかれば、もっと心が通じる。 その大切さ。
解説すればこんなことを、息子はこの30分で体験した。
こういう機会があるから、個人の旅は楽しい。
この交流は、彼にとって忘れられない良き思い出になるはずだったのだが…
油っこいスナックを食べ続けたせいか、列車を降りた途端にある場所へ直行するはめに。
皆、夕食抜きで夜遅く宿へ戻るという結末になってしまった…。
まあ、より忘れがたい思い出になったことは間違いない。
ついでに、この場所の話題。
こどもも小さいうちは物怖じしないので、カタコトでも結構楽しんで使う。
彼のお得意は 「ファジャンシル オディエヨ (トイレ、どこですか) 」
3泊の旅の間に、自分で何十回も使った。 何しろ、いつも緊急だ。
相手が場所を教えてくれ、質問が通じたことがすぐわかる。
知らなければ生きていけない旅行で最も必要度の高いことばだ。