旅と乗り物4
ドイツでは、列車の駅からトラムに乗り換えたのだが、なかなか目的地の名前が現れない。
運転手さんに、「○○で降りたい」と言うと、困ったような顔をされた。
乗客のひとりが身振り手振りを交えて説明してくれる。
しかし… 私はドイツ語が全くわからない。
向こうも英語がわからない。
でも、とにかく一生懸命説明してくれた。
結論を言えば、どうやら駅の反対側の出口からトラムに乗らなければいけなかったようだ。
それを、とてもまじめな律儀な感じで理詰めで教えてくれる。
何と言っているのか、詳細は全然わからなかったが、その人が
「何が何でもこの迷える観光客に乗るべきトラムがどれであるかを教えてあげねばならない」
という使命感を持って話してくれていることが伝わってきた。彼の使命感により、私は乗ったトラムが間違っていたことを知ることができた。
おお、ここはドイツだ。 これがドイツ人だ。 実感できたトラムだった。